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気の流れとストーリー
気の流れとストーリー
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カメラマンは現実の「気の流れ」を感じていない?
「気の流れ」=「出発点」から「目標点」に動くエネルギーとし、
「点と線」が見えるようになったら
「気の流れ」を見るようにします。
練習としては「ストーリー」を想像して言葉にしてみます。
特徴を見つけ、具体的に言葉にすると、
撮影のポイントがはっきりします。
「報道的・フレーミング」を赤枠で記載します。
ストーリーが含まれていない事がわかるとおもいます


ストーリー:
ジャングルの中の「長い滝」を見つめる「薄着の主人公」
出発点:目
目的地:滝の上の方
関係要素:滝の長さ、背景の緑、短パン、Vansスニーカー
(スニーカー的に、スケーターなのかもと想像できる)
ストーリー:
夕方?にロープでトレーニングしている砂地の男性
出発点:真剣な顔
目的地:ロープの逆の位置(見えない)
関係要素:筋肉、汗、砂、長い影(時間)


ストーリー:
夕方、ビーチでサッカーをする男性、(おそらくブラジル)
出発点:太陽
目的地:ボール(ピントの位置)
関係要素:山、海、はねる砂、体の躍動、建物の反射
ストーリー:
光の中、ライブ中に、沢山の客の手にダイブする笑顔の男性
出発点:光
目的地:男性の顔(肩)
関係要素:光のサイズ、客手、倒れる体、フェンダーギター

ストーリー:
水辺、こちらの存在に気づいた森の動物
出発点:動物の目(ピントの位置)
目的地:カメラ、または右端
関係要素:水の反射、小さな黄花、動物の色、移動方向(右)

ストーリー:
砂の世界、夕日の中で走る、白いトラック
(1)出発点:車 / 目的地:進行方向左への道
(2)出発点:太陽 / 目的地:トラック
関係要素:夕日、砂埃、奥の山脈、手前の道(前景)、雲の形

ストーリー:
夕日の中、10mクラスのジャンプをするスキーヤー
(1)出発点:太陽 / 目的地:スキーヤー
(2)出発点:地面の一番低い位置 / 目的地:スキーヤー
関係要素:光、高さ、雪の粉、山々、斜度
(報道アングルになると「高さ」は分からなくなる)
よく見て、撮影のストーリーを作り、フレームの中の素材をコントロールする。
センスや、感覚ではなく、理論的だと分かると思います
この作業はカメラマンではなく「ディレクター」「監督」「作家」などの要素なのかもしれません。
しかし、知っているだけで、新しいフレーミングが出来るのは確かです。
カメラを持った時、この「流れ」を見てみましょう。