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思考 THINK
自分の脳が邪魔をする
ストコーマ(盲点)の法則
脳は大きなエネルギーが必要な為
沢山使うと早死にする。
04
極端な言い方ですが、それほど燃費が悪いらしく、
脳はいつも、サボる努力をしているらしいです。
つまり、「目」は、「できれば何にも見たくない」んです。
(視力は人間の20%のエネルギーを使用している)
カメラ持ってる時に「自分の目は何も見ていない」
と、仮定すれば、考え方が少し変わります。
質問「近くにいる知り合いズボン、くつ、は何色?」
見ずに答えられますか?
あるライブ撮影の後、数人のカメラマンに
「ギターの色は?」と質問して答えられた人はゼロでした。
信じられないかもしれないですが
1時間もカメラ越しに見ていたはずの「ギターの色」すら見てないのです。
脳のせい!としても良いですが、
カメラマンを目指すとなると、ちょっと違います。
アングル常識のバイアスに勝つ
「そんなはずはない。見てるから撮れてるんだ!」
その意識を「アングル常識のバイアス」と定義します。
これが多くのカメラマンに感じる問題の1つで
簡単に言うと
「TVで見た事あるフレーミングにカメラを合わせている」だけです。
撮ってないです。「合わせてるだけ」「何も考えてない」です。
誰でも出来ます。センサーがあれば機材だけで出来る。
このバイアスに勝つ方法は簡単です。
1)よく見る。
2)そして、何か感じる。楽しむ。感動する。
3)それをどう撮ったら素敵か考える。
4)その精度を極限まで上げる
Q、この人々の「ピンポイントでどこが素敵?」出来るだけ多く考えてみてください。
「洋服」「立ち方」「目の色」「汗」「鎖骨」「唇」「ちょっと変ったところ」「好きな部分」
「光の角度」「影」「風」「音」「温度」「重力」「喜怒哀楽」
性格や、話し方、可愛さなどを想像して
かっこいい、かわいい、会ってみたい、とも思うかもしれません
その感覚がカメラマンとして「見る」という行為です。
後記「カメラマンは不要?」
多くの仕事は「映像の重要度」より「企業の営業ツール」という側面が大きい。
それが悪いという話ではなく、その影響で映像には法則的なアングルが存在する。
何度も打ち合わせや会議を重ね、
カメラを持つ前に、営業マンの資料の中にコンテ・アングルが出来上がっている。
現場に入ると「こういう感じで撮って下さい」とオーダーが入る。
「カメラマン」は、その瞬間「カメラ技術士」になる。
カメラマンは、アーティストでなくても良いと言われているのと同じ。
そういう時代が何年も続くと、良いカメラマンが育つわけがない。
同時に、カメラマン自身も考えなくて良くなるので、
自然とアングル・バイアスの映像を撮っている。
思考の停止
「良い映像が撮れない」より「バイアスの映像しか撮れない」方がヤバイ
自分が映像を探してるか?この違いは見ればすぐわかる
後記-2「編集室の場合」
編集にも色々なバイアスが存在する
その例として、セイフティマージンがある。
ブラウン管時代からのセオリーで、
セーフティーにテロップを揃えて配置する。
仕事としては正解で、常識だが
これがバイアスの初期段階で気をつける必要がある。
スタジオに入る際に
エディタさんにセイフティ以外で、とオーダーしてみるとわかる。
急にテロップデザインが出来なくなる。
思考停止の時期が長いエディタと仕事しても
新しいアイデアやカッコいい 編集が出来るとは思えない
後記-3「デザインの場合」
デザイン上のバイアスの例
デザインを作業する多くの人は「タイポグラフィ」を勉強したと思う。
ただ、ここにも大きなバイアスが存在する。
「タイポグラフィの第1段階:整理」
文字を適切に配列することで、印刷物における文字の体裁を整える
揃える、整える、整理する、シンプルにする
多くの場合はここまでで、タイポグラフィだと認識してます。
「タイポグラフィの第2段階:動的」
重力、風、匂い、力、などの動的なエネルギーを追加する。
「くずし」ではなく「動的追加」です
「タイポグラフィの第3段階:認識誤差」
文字を文字と捉えない、ノイズ、ボケ、認識の反転など
わかりにくいですが、理論的に情報追加しています。