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自己の解放
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自己の解放
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カメラを持った最初の頃と、今の感覚が同じか?

2018/1
株式会社ジャパネットたかたロボットカメラ導入
色々な撮影現場を経て、知識もついて来た。
しかし、カメラを楽しめているのか?
若い時の感覚を「若かった自分」と隠してないか?
現場や学校で習う事の多くは重要だが、
どうしても教えない事が1つある。
思考の章で書いた「バイアス」が大きな原因だが
カメラ仕事には基礎があり、簡略化され、
ルーティンワークになると考える必要なく撮影できてしまう。
言い換えれば「あなたの存在価値」はない。
今後AIがあれば、なんとか出来てしまうだろう。
知っているアングルを捨て
「白いキャンバスに絵を描く」つもりで目の前の世界を見る事ができるか?
ファインダーを覗く前に
本当に撮りたいかどうか?それは何か?なぜか?
喜怒哀楽、感情的になれるか。
涙が流れそうなストーリーをカメラで作れるか。
自分の感情を確認して、撮影する。
それを「自己の解放」と定義している。
これこそ、誰も教えない秘密で、最高の武器になる。
多くの現場カメラマンは、この感覚が不足している。
仕事カメラマンなら、仕方ないのか

ただ私は「仕事だけのカメラマン」と一緒に仕事をしても楽しくない
「あなたにカメラを回してほしい」と思える人が好きだ。

「Q:なぜこのアングルにしたの?」という質問に
「A:バランスが良いから」
「A:明るいから」
「A:主人公が真ん中にあるから」
「A:ロゴがちゃんと見えるから」
それは必要な要素だが、誰でも出来る事。
では次の回答はどうだろう。
「A:光の角度もあって世界が輝いてみえる」
「A:主人公の可愛さは、個人的にこの角度が好き」
「A:どうしてもハンディで主観的に撮ってみたい」
「A:だってカッコ良くないですか!」
基本的カメラ技術と共に、自分の感覚を大切に守り、解放して欲しい。